6つの法則で骨質を高め骨粗鬆症を予防
骨粗鬆症は、早期にリスクを知り、対策することで予防や管理が可能。
有効な対策を施さないでいると、たとえ平均寿命が延びたとしても、骨折のリスクを抱え、健康寿命が短くなり、自立した生活をおくれなくなるおそれがある。
「女性の健康において、骨粗鬆症は特に深刻な病気です。多くの女性は、加齢にともない骨粗鬆症のリスクが上昇することを知らず、予防措置をとっていません」
と、米タフツ大学骨代謝研究所のベス ドーソン ヒューズ教授は話す。
骨粗鬆症は、骨吸収(骨が溶ける)と、骨形成(骨を作る)のバランスが崩れることで発症する。
閉経後の女性は、骨形成に対して骨吸収が優勢になり、骨質が低下しやすいという。
「女性は家族や共同体、地域社会の力の柱です。閉経が近づいているすべての女性は、将来にわたり生活の質と自立した生活を享受するために、骨の健康を維持するために行動を開始するべきです」
と、サイラス クーパー教授は述べている。
国際骨粗鬆症財団は、骨質を高め、骨折を防ぐために、次のことを勧めている――
*バランスの良い食事*
カルシウムと、カルシウムの吸収を助けるビタミンDを多く含む食品をとることが大切。
カルシウムは乳製品や大豆製品、小魚、緑黄野菜、海草などに多く含まれる。
毎日の食事で、カルシウム200mg(牛乳1本分)を摂取することを心がける。
*ダイエットに注意*
ダイエットをして栄養が不足すると、必要なカルシウムの摂取量も減少する。
若い女性が厳しいダイエットをすると、中年以降に骨量の減少が起こりやすい。
必要な栄養素をしっかりととることが大切だ。
*骨を強くする運動*
骨を丈夫にするために、食事と同じくらい運動が大切になる。
若いころに運動をしなかった人は、年齢が高くなると骨が弱くなり、骨折しやすいことが知られている。
若い頃から、30分の運動を週に3~4回行うことを習慣にすると、骨粗鬆症を防げる。
有酸素運動に筋力トレーニングを取り入れると、いっそう効果的。
年齢とともに筋力トレーニングはますます重要になる。
*日光を浴びる*
ビタミンDはカルシウムの吸収を良くする、骨形成に欠かせない成分で、食事からだけではなく、日光浴により皮膚でもつくられる。
夏なら木陰で30分、冬なら手や顔に1時間程度、日に当たることを心がける。
*喫煙とアルコールに注意*
喫煙と過度のアルコール摂取は、骨粗鬆症のリスクを高める。
体重の少ないやせた女性ほど、アルコールの弊害を受けやすいので注意が必要。
*検査を定期的に受ける*
閉経後は、医師に骨の健康状態を評価してもらうことが必要となる。
骨折リスク評価(FRAXなど)を依頼し、必要と診断された場合は骨密度検査を受ける。
治療が必要と診断された場合は治療を開始する。
現在は多くの種類の骨粗鬆症の治療薬が使用されている。