高齢になり骨がもろくなると、ちょっとした衝撃で骨が折れてしまう事があります。
中でも大腿骨骨折は多くの場合で歩く事が出来なくなってしまいます。
力学的に弱い頸部骨折が多く、頸部骨折でも内転型、外転型
頸部の中でも内側外側など場所の違いで予後が変わってきます。
大腿骨骨折は高齢者が圧倒的に多く骨がもろくなっていると転倒などの比較的軽微な外力で骨折を起こしてしまいます、まれに、交通事故や転落事故などの大きな外力が加わった場合には、若い人でも大腿骨頚部骨折や大腿骨転子部骨折を起こすことはあります大変まれです。
ちなみに骨粗鬆症は女性に圧倒的に多くて、男性の4倍ほどになります。
交通事故や転落事故などの大きな外力が加わった場合には,若い人でも大腿骨頚部骨折や大腿骨転子部骨折を起こすことがありますが,頻度はきわめて少ないです. 高齢者では,交通事故や転落事故などのような大きな衝撃を受けなくても,転倒などの比較的軽微な外力で骨折を起こしてしまいます. これは,骨粗鬆症によって骨の強度がすごく低下してしまったことが原因です。
骨折部が内側か外側かでで予後が変わるのは関節は関節包という袋で覆われていますが、頸部内側は 大腿骨頚部とともに股関節包の内側にある関節包の内側にある大腿骨頚部にはこの外骨膜が存在しないので、この部分の骨折は非常に癒合しにくいという特徴があります。骨折が癒合しない状態を偽関節(ぎかんせつ)といいます。
また,大腿骨頚部や骨頭部は回旋動脈という細い動脈で栄養されています。 頚部骨折をおこした時にこの動脈が損傷を受けると血が流れなくなるので、骨頭の部分が壊死(えし)をおこして(骨頭壊死)、最悪の場合には骨頭がつぶれてくることがあります。
これを遅発性骨頭陥没といいますが、この状態になると痛くて歩行できなくなります。
「遅発性」というのは,頚部骨折がいったん癒合した後にも骨頭がつぶれてくる場合があるという意味です。
以上をまとめると,大腿骨頚部骨折は骨がつきにくいので偽関節となったり,骨頭部が壊死になりつぶれて遅発性骨頭陥没になったりするので,治療がとても難しい骨折になります。